夕暮れの街を見下ろす研究室に置かれた、ロボットや未来技術の研究設備

WORLD 048 STORIES

SCIENCE &TECHNOLOGY

科学と技術の、まだ知らない向こう側。

  1. 1945年、MITの放射線研究所で、たくさんの計器や機械に囲まれた作業台に向かい、マグネトロンを試験する技術者。白黒写真。電子レンジは、レーダーの研究所で、ポケットのチョコレートが溶けたことから始まった12歳で学校をやめ、海軍で無線を学んだ技術者パーシー・スペンサー。レーダーの部品マグネトロンのそばで、チョコが溶けていることに気づいた。ポップコーンで確かめ、金属の箱を作った。最初の電子レンジは、高さ1.8メートルだった。
  2. 教会の木の長いすの上に、開いた古い本。ページに、淡い黄色の小さな紙がはさまっている。AIで作った絵で、実際の写真ではない。ポスト・イットは、強くできなかった接着剤から生まれた聖歌集から落ちるしおりが、使い道を教えた1968年、もっと強い接着剤を目指した研究から、くっつきすぎない接着剤ができた。使い道が見つからないまま5年。教会の聖歌隊で歌う同僚が、日曜ごとに落ちるしおりに困っていた。
  3. 夜の地球の上を回る、金色の太陽電池パネルを広げた人工衛星。下には街の灯りが点々と見える。AIで作った絵で、実在の衛星の写真ではない。スマホの地図の青い点は、相対性理論で毎日直されている直さなければ、1日に約10キロずれるGPSの衛星の時計は、地上より1日に約38マイクロ秒進む。速さで遅れ、重力で進む、相対性理論のずれだ。1977年、最初の原子時計の衛星は、そのずれを疑う声があったため、補正を「あとからスイッチを入れられる」形で打ち上げた。
  4. 暗い星空に、小さな緑色の星が光っている。手前は、岩だらけの惑星の地面。AIで作った想像の絵で、実際の星の写真ではない。緑色の星は、ないはずだった惑星のかけらを取り込んだ星が、初めて「緑」と計算された緑色の星は、ないはずだった。2026年10月、ウォーリック大学のチームが、惑星のかけらを取り込んだ白色矮星の色を計算し、初めて「緑」と出た。星の色のしくみと、ピンクや紫の星の話。
  5. 木の机の上に置かれた、灰色の携帯ゲーム機と、3本の電池。小さな緑色の画面と、十字のボタン、赤い丸いボタンがある。AIで作った絵で、実物の写真ではない。ゲームボーイの画面は白黒だった花札の機械を直していた人が信じた「枯れた技術」ゲームボーイの画面は、色のない4段階の液晶だった。色つきの競合機が出ても売れた理由を、横井軍平の「枯れた技術の水平思考」と、発売当時の価格・電池の比較からたどる。
  6. ガラスのコーヒーポットに、小さな黒いカメラが向けられている。うしろには、古い型のコンピュータの画面。研究室の机の上の、やわらかいイラスト。最初のウェブカメラと呼ばれるカメラは、研究室のコーヒーポットを見ていた1991年、ケンブリッジ大学の廊下。階段をのぼったのに、ポットは空っぽ。そんな小さな「がっかり」から、世界中の人が見る1台のカメラが生まれた、最初のウェブカメラと呼ばれる話。
  7. 1969年7月16日、アポロ11号を載せたサターンVロケットが、発射台から上昇している。白い機体の下から、炎と煙が広がる。ケネディ宇宙センターで、NASAが撮影した写真。月へ行ったロケットのコンピュータの記憶は、電線を磁性体の輪に通して、人の手で「編まれて」いたアポロの誘導コンピュータの、書き換えられないプログラム用の記憶は、電線を小さな磁性体の輪に通して作られた。NASAの歴史資料などをたどり、確認できたことと、できなかったことを分けて読む。
  8. 宇宙空間を飛行するボイジャー探査機の想像図何を止めて、何を残すか半世紀前の探査機の、省エネの話1977年に飛び立った探査機は、毎年少しずつ減っていく電力で、いまも観測を続けている。何を止め、何を残すのか。その選び方を、NASAの発表から、ゆっくり読んでみた。

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