海を見下ろすテラスの木のテーブルに広げた古い地図と、サングラス、革の手帳に載せた方位磁針。奥に白い家の並ぶ丘の村と青い海。

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まだ知らない土地の、ふつうの暮らし。

  1. 木の床に、円いふたを外した穴がいくつも並んでいる。穴の中に、素焼きの壺の口が見える。ジョージアのワインは、地面に埋めた卵形の壺の中で、皮も種もいっしょに5〜6か月かけて作る黒海とカスピ海のあいだ、コーカサス山脈の南の国ジョージアでは、ぶどうの果汁を皮や種や軸ごと卵形の素焼きの壺「クヴェヴリ」に入れ、地中に埋めて発酵させる。2013年にユネスコの無形文化遺産になった。
  2. アンデスの深い谷にかかる、草の綱で編んだ吊り橋。下を緑がかった川が流れ、両岸に石積みの土台がある。ペルーの山奥には、毎年かけ替えられる草の吊り橋があるインカの時代から500年、村人総出の3日間アンデスの谷にかかる長さ28mの吊り橋ケスワチャカは、山の草をよった綱でできている。4つの村の人たちが毎年6月、3日かけて作り直す。2013年にユネスコの無形文化遺産になった。
  3. 乾いた岩山を背に立つ、2基の白い氷の塔。高さは人の背丈の何倍もあり、先からつららのように氷が伸びている。手前に、塔をつくった若者たちが並んでいる。雨がほとんど降らないヒマラヤの村は、冬の川の水を高さ20mの「氷の塔」に凍らせて、春まで取っておく。インド北部のラダックでは、冬の川の水を凍らせて円すいの氷の塔をつくる。電気もポンプも使わない。雨の少ない土地の、春の水不足への答えだ。

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