暗い星空に、小さな緑色の星が光っている。手前は、岩だらけの惑星の地面。AIで作った想像の絵で、実際の星の写真ではない。

SCIENCE & TECHNOLOGY・・記事内容:約3分

緑色の星は、ないはずだった。惑星のかけらを取り込んだ星が、初めて「緑」と計算された

緑色の星は、ないはずだった。2026年10月、ウォーリック大学のチームが、惑星のかけらを取り込んだ白色矮星の色を計算し、初めて「緑」と出た。星の色のしくみと、ピンクや紫の星の話。

※生成画像

夜空の星には色がある。

赤っぽい星。オレンジの星。白い星。青白い星。でも緑の星はない。

その「ない」はずの緑が見つかった。2026年10月のことだ。

星の色は、温度で決まる

鉄を熱していくと赤く光りオレンジになり、やがて白くなる。星の色もほぼ同じ理屈で決まる。

ほとんどの星は物理でいう「完全な放射体」に近い。だから色はほとんど温度だけで決まる。温度が低いと赤く、温度が高くなるにつれて白、そして青に寄っていく。

この並びの途中に緑は出てこない。緑の光をいちばん強く出す星があっても、ほかの色も一緒に出ているので、人の目には白っぽく見える。緑に見せるには赤やオレンジの光だけを、どこかで抜き取る必要がある。

水と同じくらい濃い、星の大気

研究したのは、イギリスのウォーリック大学のマーク・ホランズさんたちのチーム。論文の題は「Any colour you like(お好きな色をどうぞ)」。2026年10月15日に、王立天文学会の雑誌で公開された。

チームが調べたのは白色矮星(はくしょくわいせい)。太陽くらいの星が燃え尽きたあとに残る、小さくて重い星だ。

白色矮星の大気はとても濃い。論文によると、いちばん冷えたものでは、1立方センチあたり約1グラム。ほぼ水と同じ濃さになる。

こんなに濃い大気に炭素やカルシウム、ナトリウムといった元素がまじると、光の吸い込み方が大きく変わる。温度だけでは決まらない色が出てくる。

惑星のかけらが、星を緑にした

いちばん目を引いたのが、WD J1330+6435という白色矮星だ。

表面はおよそ4,000℃。この星はかつて自分のまわりにあった惑星系の、岩のかけらを取り込んでいる。そのせいで大気にカルシウム、リチウム、ナトリウムがまじった。

ナトリウムは、黄色、オレンジ、赤の光を、広くまとめて吸い込む。残った光は黄緑。チームの計算では、この星は「シャルトルーズ」と呼ばれる黄緑色に見えるという。

ホランズさんはこう話している。

この白色矮星の大気にあるわずかなナトリウムが、スペクトルのオレンジの部分を吸い込み、幽霊のような緑の光を残す。惑星の上に立って、緑の星を見上げるところを想像してみてほしい。まるでSFの世界だ。

(意味を日本語にしたもの。以下も同じ。)

アメリカの科学誌ポピュラー・サイエンスによると、この星は地球から約284光年のところにある。

赤い星、ピンクの星も

ほかにも変わった色の白色矮星があった。

炭素の多い白色矮星はピンクや紫に見える。そのひとつ、48光年先のWD J1011+2845は、光のほとんどが赤い側にかたよっていて、これまでに記録された中で、いちばん赤い星かもしれないという。

色は、目で見たのではなく、計算した

ただしこの緑を望遠鏡でのぞいて見た人はいない。

白色矮星は暗すぎる。暗いところでは人の目は色を見分けにくい。そこでチームは、天文学者がふだんから集めている星のスペクトル(光を色ごとに分けたもの)を使った。それを人の目の色の感じ方を表す国際的な基準に通して、目にはどう見えるかを計算した。

研究者たちが知る限り、これまで「緑の星」がたしかに報告されたことはない。

平均すると、ちゃんと白い

チームは地球から20パーセク(約65光年)以内にある、151個の白色矮星もまとめて調べた。

変わった色だったのは、151個のうち5個。およそ30個に1個だ。黄色が2個、ピンクが3個。残りの白色矮星の色を平均するとちゃんと白だった。

共同研究者のボリス・ゲンジッケさんはこう話している。

30個に1個というのは、多く聞こえないかもしれない。でも宇宙全体の白色矮星で考えれば、変わった色の星は、まだたくさんあるはずだ。

太陽も、いつかは白色矮星になる

太陽も遠い未来には白色矮星になる。そのときまわりに残った惑星のかけらが落ちてきたら、太陽も少し色を変えるかもしれない。

夜空を見上げて緑の星を探してもたぶん見つからない。でもどこかの惑星の空には黄緑の星が浮かんでいる。そう思うといつもの星空が少し広く見える。

出典

情報確認:2026年10月

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