夜の小さな店のカウンター。向かい合う二人が、白ワインのグラスと料理、キャンドルの灯りを前に、話している。

WORLD 026 STORIES

FOOD

食べものの裏にある、小さな発見。

  1. 暗い木の机の上に、白い粉をふいた濃い緑の昆布が1枚。横に、だしの入った小さなガラスの器が2つ。AIで作った絵で、実際の写真ではない。「NO MSG」の不安は、1968年の1通の手紙から始まった昆布だしから生まれたうま味調味料が、疑われ続けた理由日本の化学者が昆布のだしから取り出した、うま味の正体。アメリカでは「中華料理店症候群」と呼ばれ、長く恐れられた。始まりは、ひとりの小児科医の問いかけの手紙。返事の症状はばらばらで、実験には多くの欠点があった。
  2. 暗い木のカウンターに、氷とレモンの入ったハイボールのジョッキがひとつ。背景は温かい茶色の無地。AIで作った絵で、実際の写真ではない。ハイボールは、おじさんの酒を若い人の二杯目に変えた6分の1まで縮んだウイスキーを、ジョッキが救った2007年、日本のウイスキーの市場は、ピークのころの6分の1まで縮んでいた。若い人1,000人に聞くと、答えは「古くさい」「飲みにくい」「飲む場所がない」。解決のかぎは、半世紀前の飲み方と、ジョッキにあった。
  3. 黒い器に、すりおろした淡い緑のわさびが、こんもりと盛られている。右に、わさびのついた鮫皮のおろし板。奥に小皿。わさびの辛みは、すりおろした瞬間に生まれる約400年続く、湧き水の畑の話わさびの辛みは、すりおろして細胞がこわれたときに生まれる。大阪大学とエスビー食品の発表、農林水産省やJETROの資料から、辛みの仕組みと、静岡で約400年続く湧き水の「水の畑」をたどる。
  4. 暗い木のカウンターの上に、氷とライムを入れた背の高いグラス。うしろに、ぼんやりと酒のボトルの棚。AIで作った絵で、実物の写真ではない。ジントニックは、マラリアの薬から生まれたその話は、どこまで本当かジントニックは、マラリアの薬から生まれた、という話をよく聞く。キニーネの歴史、1858年のトニックウォーターの特許、1868年の最初の記録、専門家の見方まで、記録をたどって確かめる。
  5. ガラスのケースの中に、長い柄のついた黒い鉄の道具が2本、ならんでいる。先は、丸い板の形。ケースの上の札には、「The Original Fortune Cookie Press — circa 1914 Makoto Hagiwara」と書かれている。サンフランシスコの日本庭園の展示。おみくじ入りのクッキーは、サンフランシスコの日本庭園で生まれたと言われているおみくじ入りのクッキーの故郷は、中国ではなく、サンフランシスコの日本庭園かもしれない。京都のおせんべいと、いくつもの「うちが元祖」の話を、報道と Wikipedia をたどって読む。
  6. 丸ごと1個のミモレットと、切り分けた鮮やかなオレンジ色の断面ミモレットの皮には、チーズダニの仕事が入っているふつうのチーズでは払われてしまうダニが、ミモレットでは歓迎される。数年かけて皮をかじらせ、出荷前に空気とブラシで落とす、少し変わった熟成の話。

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