
CULTURE & HOBBY・・記事内容:約2分
竹内まりやの「プラスティック・ラブ」は、発売当時86位だった。30年以上たって、YouTubeが世界に届けた
1985年に86位どまりだった竹内まりやの「プラスティック・ラブ」は、2017年にYouTubeに上がったファンの動画から、世界中で聴かれるようになった。シティ・ポップの名曲が掘り出されるまでを追う。
※生成画像
夜の街を車で流す。窓の外にネオンがにじむ。そんな景色に合う曲がある。竹内まりやの「プラスティック・ラブ」。
この曲は日本ではそれほど売れなかった。それが30年以上たって世界中で聴かれるようになった。運んだのはレコード会社でもラジオでもない。YouTubeのおすすめ欄だった。
1985年、86位
録音は1984年。同じ年に出たアルバム『VARIETY』は、チャートの1位になった。夫の山下達郎と組んで作ったアルバムで、竹内まりやはこの作品で表舞台に戻ってきた。
ところが、アルバムの曲をシングルにした「プラスティック・ラブ」は、1985年3月に12インチで出てチャートの86位どまり。ヒット曲とは言えなかった。
シティ・ポップという音
この曲は、のちに「シティ・ポップ」と呼ばれる音楽のひとつだ。
日本の情報サイト「nippon.com」は、シティ・ポップを洗練された音と磨かれたメロディーと、大人の都会の恋を歌う詞の音楽だと紹介している。広く聴かれるようになったのは、1980年代。山下達郎、松任谷由実、大貫妙子。そして竹内まりや。
バブルの時代の夜の都会の音だ。
2017年、YouTubeに上がる
2017年7月、「プラスティック・ラブ」がYouTubeに上げられた。公式の動画ではない。「Plastic Lover」という名前のチャンネルが上げた、ファンによる長いバージョンだった。
画面には竹内まりやの写真が1枚。アメリカの写真家アラン・レヴェンソンが、別のシングルのために撮った写真だった。
この動画が、YouTubeのおすすめに乗った。日本語がわからない人たちの画面にも次々に流れていった。2018年には再生回数は2,000万回を超えていた。
一度はサムネイルの写真の著作権の申し立てで、動画が消えたこともある。ところがあとで元に戻された。コメントもそのまま残っていた。
公式が、あとから追いかけた
人気に気づいたのは海の向こうのファンが先だった。公式があとから追いかけた。
2019年、短い公式のミュージックビデオが公開された。2021年11月には曲の長さそのままの公式ビデオが出た。同じ年に再発売された12インチ・シングルは、ワーナーミュージック・ジャパンによると、初めて売り上げのトップ10に入った。
1985年に86位だった曲が、36年後にトップ10に入った。
掘り出したのは、アルゴリズムだった
昔のレコード屋には棚を掘る人たちがいた。古いレコードの山から、誰も知らない名曲を見つけてくる人たちだ。
「プラスティック・ラブ」を掘り出したのは人ではなく、おすすめの仕組みだった。でもそれを聴き続けてコメントを残して広めたのは、やっぱり人だった。
今夜、車で流してみる。86位の曲がどうして世界まで届いたのか。少しわかる気がする。
出典
- Open Culture「YouTube's Algorithm Turned an Obscure 1980s Japanese Song Into an Enormously Popular Hit」(2018年10月3日)
- Kotaku「Decades Later, Mariya Takeuchi's Plastic Love Is A Top 10 Hit」(2021年11月18日)
- nippon.com「A Guide to City Pop, the Soundtrack for Japan's Bubble-Era Generation」(2019年1月30日。日本語版は2018年12月21日)
情報確認:2026年10月


