白黒写真。石の階段を、スニーカーの人が歩いている。足もとと階段だけが写っている。

BODY & HEALTH・・記事内容:約2分

運動しない人でも、1日3回「1〜2分の、息が上がる動き」があると、死亡のリスクが約4割低かった

ジムに行かなくても、階段を一気に上る、早足で歩く。暮らしの中の短くて激しい動き「VILPA」が1日3回あった人は、なかった人より死亡のリスクが大きく低かった。運動しない2万5,000人の、手首の記録から。

写真: Pablo Heimplatz / Wikimedia Commons(CC0)。縮小あり

ジムに通う時間はない。ランニングも続かなかった。運動しなきゃ、と思いながら、一日が終わる。

そんな人にとって、少しうれしい研究がある。わざわざ運動しなくても、毎日の暮らしの中の「1〜2分の、ちょっと息が上がる動き」を、1日に3回。それだけで、死亡のリスクが大きく下がっていた。

運動しない2万5,000人

2022年オーストラリアのシドニー大学のエマニュエル・スタマタキスやイギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマーク・ハマーらが医学雑誌『ネイチャー・メディシン』に論文を出した。

調べたのはイギリスの大規模な健康調査「UKバイオバンク」の参加者のうちふだん運動をしていない2万5,241人。平均61.8歳。全員が手首に活動量計をつけて一日の体の動きを記録した。

研究者たちが注目したのは、運動ではなく暮らしの中の短くて激しい動きだった。名前は「VILPA(ヴィルパ)」。英語の「激しい断続的な生活の中の身体活動」(Vigorous Intermittent Lifestyle Physical Activity)の頭文字だ。

1日3回、1〜2分

およそ7年間の追跡のあいだに852人が亡くなった。

VILPAがまったくない人とくらべて1日に3回(1回1〜2分)のVILPAがあった人は

1日3回といっても、合計すれば4.4分ほどだ。

さらに研究者たちは、運動をしている6万2,000人あまりの人たちの激しい運動の効果も調べた。運動しない人のVILPAは、死亡のリスクの下がり方が運動する人の激しい運動とよく似ていた。

何をすればいいのか

ハマーが所属するロンドンの研究所は、VILPAをこう説明している。

ふだんの動きを少しだけ強くする。たとえば階段を上る。早足で歩く。家事をきびきびやる。子どもと走り回る。1回に1〜2分、心臓がどきどきするくらいに。

ジムもウェアもいらない。

気をつけたいこと

ただこの研究にはいくつか気をつけたい点がある。

これは人々の動きとその後の健康を「観察」した研究だ。VILPAをしたから長生きした、と決まったわけではない。もともと体が元気な人ほど階段を軽々と上れるという面もあるかもしれない。

それでも論文は少しの激しい動きでも死亡のリスクが大きく下がることと結びついていたと書き運動ができない人やしたくない人にとって、目標になるかもしれないと結んでいる。

持病がある人や、しばらく体を動かしていない人は急に激しく動く前に、医師に相談しておくと安心だ。

今日の階段で

運動は、まとまった時間をとってやるもの。そう思いこんでいると、なかなか始められない。

でも今日の帰り道の駅の階段を少しだけ速く上ってみる。息が少し上がったら、それが今日の1回目だ。

出典

情報確認:2026年10月

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