朝の光が差しこむ寝室。くしゃっとした白いシーツのベッドと、開いた窓、窓辺のコーヒーカップと鉢植え。AIで作った絵で、実際の写真ではない。

BODY & HEALTH・・記事内容:約3分

月曜の朝がつらいのは、気合いではなく「社会的時差ぼけ」かもしれない。週末の寝だめで、毎週2時間の時差ぼけをしている

平日は7時、土曜は10時に起きる。眠りの真ん中の時刻で比べると、その差は毎週2時間の時差ぼけと同じだと、ドイツの時間生物学者は言う。中央ヨーロッパでは4割が2時間以上。自分のずれの計算のしかたと、時計を合わせる光の話。

※生成画像

平日は7時に起きる。土曜は気づけば10時。日曜の夜はなかなか眠れず月曜の朝がいちばんつらい。

寝だめをしたはずなのになぜか疲れている。ドイツの時間生物学者ティル・レネベルクはこの状態に名前をつけた。「社会的時差ぼけ」だ。

家にいるのに、時差ぼけ

人の体にはだいたい1日周期の時計がある。その時計の進み方は人によって違う。早起きが楽な「朝型」もいれば夜に頭がさえる「夜型」もいる。どちらが良い悪いではなく生まれつきの違いや年齢でずれる。

ところが仕事や学校の時間はみんな同じだ。

2006年、レネベルクらミュンヘン大学の研究者たちはこの食い違いを「社会的時差ぼけ」と呼んで論文にした。体の時計と社会の時計とのずれである。

レネベルクは2012年の著書『Internal Time』でこう書いている。本物の時差ぼけは旅行先の明るさに体が慣れていく一時的なものだ。でも社会的時差ぼけの人は家から一歩も出ない。だから慣れることがなくずっと続く。

まるで何時間か東にある会社に毎日通っているようなものだという。

自分のずれを、計算してみる

社会的時差ぼけの大きさは簡単に計算できる。

まず休みの日の「眠りの真ん中の時刻」を出す。寝た時刻に寝ていた時間の半分を足す。

たとえば土曜に午前1時に寝て10時に起きたとする。9時間寝たから半分は4時間半。1時に4時間半を足して真ん中は午前5時半。

次に平日の真ん中の時刻を出す。午前0時に寝て7時に起きるなら7時間の半分の3時間半を足して午前3時半。

この差の2時間があなたの社会的時差ぼけだ。毎週、東京からタイくらいの時差を行ったり来たりしている計算になる。

中央ヨーロッパでは、4割が2時間以上

レネベルクによると中央ヨーロッパでは40%を超える人が2時間以上の社会的時差ぼけを抱えている。3時間以上の人も15%を超える。ほかの先進国でも事情が違うと考える理由はない、と彼は書いている。

2012年、レネベルクたちは大規模な調査の結果を発表した。睡眠時間の長さとは別に、社会的時差ぼけが大きい人ほど体重の指標(BMI)が高い傾向があった。論文は「時計に逆らって」暮らすことが肥満が増える一因になっているかもしれない、と書いている。

光が、時計を合わせる

では体の時計は何で合わせられているのか。

いちばん強い合図は光だ、とレネベルクは言う。そして私たちは昼間に光が足りていない。明るいオフィスでも外の光にくらべればずっと暗い。曇りの日でも外を少し歩くだけで屋内で一日過ごすよりずっと多くの光を浴びられるという。

昼間に光が足りないと体の時計は遅れがちになる。夜型がもっと夜型になり平日とのずれが大きくなる。

寝だめより、朝の光

ここからは研究の話をもとにしたひとつの工夫だ。

休みの日も起きる時刻を平日から大きくずらしすぎない。眠いなら朝いったん起きて光を浴びてから昼に少し昼寝で補う。昼間少しでも外を歩く。

もちろん平日の睡眠が足りていないならまずそれを何とかするのが先だ。2012年の論文も、社会的時差ぼけは慢性的な睡眠不足につながると書いている。

月曜の朝のために

土曜の朝寝坊はぜいたくな楽しみだ。やめる必要はない。

ただ月曜がやけにつらいならそれは気合いの問題ではなく時差ぼけなのかもしれない。週末にほんの少しだけ早く起きて窓を開けてみる。月曜の朝の自分のために。

出典

情報確認:2026年10月

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