
CURIOUS・・記事内容:約3分
「OK」は、1839年のボストンの新聞の悪ふざけから生まれた。わざと間違えた「oll korrect」の頭文字
世界中で使われる2文字の、いちばん古い記録は、1839年3月23日のボストンの新聞の2ページ目にある。つづりをわざと間違えて略す、当時の流行り遊び。それを大統領選挙と電信が、世界の言葉にした。
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「OK」。一日に何回口にしているだろう。仕事のメールでも家族へのメッセージでもパソコンの画面のボタンでも。
世界でいちばん使われている言葉のひとつかもしれない。でもこの2文字が生まれたのは、19世紀のボストンの新聞のちょっとした悪ふざけだった。
1839年3月23日、2ページ目
1839年3月23日。アメリカの新聞『ボストン・モーニング・ポスト』の2ページ目に短い記事が載った。
近くの町プロビデンスの新聞を皮肉ってからかう記事だった。その最後に、こんな言葉があった。「o.k.」。そしてその横に「all correct(すべて正しい)」。
これが、いま知られているいちばん古い「OK」だ。
わざと、つづりを間違える遊び
当時のボストンやニューヨークでは、ある遊びがはやっていた。言葉のつづりをわざと間違えて書き、それを略す。
たとえば「KG」。「no go(だめだ)」をわざと「know go」と書き間違えて、その頭文字をとったものだ。
「OK」も同じだった。「all correct」をわざと「oll korrect」と書き間違えて頭文字をとった。
いまで言えば、ネットのスラングのようなものだ。アメリカのテレビ局ヒストリーのサイトは、いまのLOLやOMGのようだと書いている。当時はそれがおかしくてたまらなかったらしい。
この記事を書いたのは、たぶん編集長のチャールズ・ゴードン・グリーンだ。言葉の研究者アラン・メトカーフが2010年の本『OK』でそう書いている。
大統領選挙が、広めた
ほかの悪ふざけの略語はほとんど消えた。でもOKだけが残った。
ひとつめのきっかけは、翌年1840年の大統領選挙だ。
現職の大統領マーティン・ヴァン・ビューレンは、ニューヨーク州のキンダーフックという町の出身だった。あだ名は「オールド・キンダーフック」。頭文字はO.K.。
支持者たちは全国に「O.K.クラブ」を作った。メトカーフは書いている。OKには二重の意味ができた。「オールド・キンダーフックはすべて正しい」と。
ヴァン・ビューレンは選挙に負けた。でもOKは勝った。
もうひとつの冗談と、電信
選挙のあいだ、反対派の新聞は別の冗談を流した。前の大統領アンドリュー・ジャクソンはつづりが苦手で「all correct」を本当に「ole kurrek」と書くと思っていた。だから書類に「O.K.」と書いて承認していたのだと。
もちろん作り話だ。でもこの話は広く信じられた。
そして同じころ、モールスの電信が登場する。電線の上を点と線で言葉が行き交うようになった。「OK」はほとんど最初から電信でよく送られる言葉になった。届いたよ。聞こえているよ。
120年以上、謎だった
OKの由来は、長いあいだはっきりしなかった。
ジャクソン大統領のサインだという人。軍用ビスケットの会社の名前だという人。先住民の言葉だという人。ウッドロウ・ウィルソン大統領はチョクトー族の言葉「okeh」から来たと考えていたという。
1960年代になって、コロンビア大学の言語学者アレン・ウォーカー・リードが古い新聞を調べ、1839年のボストンの記事にたどりついた。
「すごい」ではなく、「だいじょうぶ」
メトカーフはOKのよさをこう説明している。OKは「すばらしい」ではない。ただの「OK」だ。だからどこにでも使える。
合格。了解。まあまあ。次へ進む。
新聞の片すみのちょっとした悪ふざけ。それが180年以上たって世界中の画面のボタンになっている。
今日、誰かに「OK」と返すとき。それは1839年のボストンの記者がにやにやしながら書いた2文字だ。
出典
- HISTORY「How ‘OK’ Became America’s Favorite Word」(Christopher Klein)
- The Christian Science Monitor「A quirky debut for the now ever-present 'OK'」(2010年11月23日。アラン・メトカーフの本の紹介)
情報確認:2026年10月


