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人が増えると、摩擦が増える。面倒に感じたら、連絡の線を数えてみる

夕日が差す歩道を、何人かの人が並んで歩いている足元の絵。スニーカーや革靴が見える。顔は写っていない。AIで作った絵で、実物の写真ではない。
※生成画像

人が増えると、摩擦が増える。そして、ちょっと面倒になる。

部活でも、会社でも、飲み会の幹事でも。2人のときはすんなり決まったことが、5人になると、とたんに決まらなくなる。

これは、気のせいではないらしい。

線の数は、人数よりずっと速く増える

人と人のあいだには、連絡の線がある。2人なら1本。3人なら3本。5人で10本。10人で45本。20人なら190本になる。(人数×(人数−1)÷2 という計算。)

人が2倍になると、線は4倍ちかくになる。

1975年、ソフトウェア開発の技術者フレッド・ブルックスは、著書『人月の神話』にこう書いた。「遅れているソフトウェアの開発に人を足すと、もっと遅れる」。いまは「ブルックスの法則」と呼ばれている。本人は「ひどい単純化」とも認めている。

理由は、3つ挙げられている。新しく入った人が慣れるまでの時間。全員の状況をそろえる手間。そして、仕事そのものが、人数で割れないこと。ブルックスは、「9人の女性がいても、赤ん坊を1か月で産むことはできない」と例えた。

綱引きでも、ひとりあたりの力は落ちる

フランスの農業技師、マクシミリアン・リンゲルマンは、ロープを大勢で引くと、ひとりあたりの力が、ひとりで引くときより小さくなることを見つけた。1913年に発表した話だ。

原因は2つ考えられている。息が合わないこと。そして、誰かがやってくれるだろうと、気づかないうちに手を抜いてしまうこと。のちの実験では、引くふりをしているだけの人を混ぜても、同じように力が落ちた。やる気のほうの影響が、大きいと見る研究がある。

面倒だと思うのは、ふつう

人が増えると、ちょっと面倒になる。そう感じるのは、あなただけではない。

50年以上前の技術者も、同じ面倒にぶつかっていた。その悩みが、法則に名前として残るほどに。

20人を、5人ずつに分けてみる

対策として挙げられているのは、仕事をきれいに分けて、人と人のやりとりを減らす方法。少人数で仕上げる案もある。

試しに数えてみる。20人が全員とやりとりすると、線は190本。これを5人ずつ4つの班に分けて、班のまとめ役どうしだけをつなぐと、10本×4班に、まとめ役4人どうしの6本を足して、46本。

同じ20人でも、4分の1になる。(これも、私の計算。)

線を数えて、分けて、歩く

面倒だなと思ったら、まず線を数えてみる。3人なら3本。それだけで、ちょっと笑える。

摩擦がなければ、人は歩くことすらできない。靴の裏と地面のあいだに、摩擦があるからだ。

人が集まった印の、面倒。ぼやきながらでも、一緒に歩いていける人がいるなら、それはたぶん、わるくない。

次の一杯