夜のバーのカウンターに、2人の男性が並んで座っている。後ろ姿で、手元にはウイスキーのグラス。棚には酒の瓶が並ぶ。AIで作った絵で、実際の写真ではない。

MIND・・記事内容:約3分

大人になると、友だちができにくい。気のせいではなく、足りないのは「時間」だった

大人になると友だちができにくいのは、気のせいではない。親しい友だちになるまでに必要な時間は200時間以上という研究と、30代の孤独の調査、25歳ごろをピークに連絡の相手が減る研究から、今週できる一歩までを書く。

※生成画像

学生のころは気づいたら友だちがいた。

30代になるとそうはいかない。仕事で毎日会う人はいる。でも休みの日に「飲みに行こう」と送れる相手は、いつの間にか減っている。

これは自分だけの話ではないらしい。

30代の4割超が「孤独を感じることがある」

内閣府は毎年、孤独についての全国調査をしている。2024年12月の調査では、16歳以上の約1万1,000人が答えた。

孤独を「しばしば・常に」感じる人は、全体で4.3%。年代別では、20代の7.4%に次いで、30代が6.0%と高い。

「時々ある」「たまにある」まで合わせると、30代の4割を超える。

連絡を取る相手は、25歳ごろがいちばん多い

携帯電話の記録から人づきあいを数えた研究がある。イギリスの進化心理学者ロビン・ダンバーらのチームが、ヨーロッパのある国の2007年の通話記録を調べた。年齢と性別がわかる人だけで約320万人分だ。

1か月に連絡を取る相手の数は、25歳ごろにいちばん多くなる。そこから45歳ごろまで減っていく。

仕事が忙しくなり、家族ができる。人に回せる時間はそのぶん減っていく。

親しい友だちになるには、200時間

では友だちになるには、どのくらい一緒にいればいいのか。

アメリカ・カンザス大学のジェフリー・ホール教授が、2018年に答えを出している。引っ越して半年以内の大人355人と、入学したばかりの大学1年生112人に聞いた。

知り合いから「気軽な友だち」になるまで、およそ50時間。「友だち」になるまで、90時間。「親しい友だち」になるには、200時間以上。

週に2時間会うとして、200時間は約2年だ。

しかも大人はもっとかかる。カリフォルニア大学バークレー校のサイト「Greater Good」によると、知り合いが「気軽な友だち」になるまでに、学生は43時間、大人は94時間かかっていた。

職場の時間は、あまり数に入らない

30代には少し厳しい結果もある。

同じ職場で過ごす時間は、友だちになる時間としては、あまり効かない。ホール教授の研究では、一緒に働いた時間は「それほど数に入らない」とされた。

効いたのはただ一緒にだらだら過ごす時間だ。冗談を言い合う。ゲームをする。大人なら映画を見る。

話の中身でも差が出た。学生の調査では、近況を話す、ふざけ合う、まじめな話をする。そんな会話で仲が近づいた。ニュースやスポーツのような世間話ばかりだと、かえって距離が開いていった。

誘うことは、できる

ホール教授はこう言っている。

「人に一緒に過ごしてもらうことは強制できない。でも誘うことはできる」

職場の人ならランチか仕事帰りの1杯に誘う。場所を変えることが「あなたと友だちになりたい」という合図になるという。

仲が一段深まるときは、3週間ほどのあいだに一緒にいる時間が2倍、3倍に増えていたそうだ。

今週、ひとりだけ誘ってみる

大人に友だちができにくいのは性格のせいではない。仕事と家に時間を取られて、だらだらする時間が残っていないだけだ。

だからやることは単純だ。今週ひとりだけ誘ってみる。用事はなくていい。

200時間は長い。でも仕事帰りのカウンターでの1杯は、その最初の1時間になる。

出典

情報確認:2026年10月

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