夕暮れの森の中、石で囲んだかまどで、太い薪を組んだ焚き火が勢いよく燃え、火の粉が舞っている。奥には吊るしたやかんと丸太のベンチ。AIで作った絵で、実際の写真ではない。

NATURE・・記事内容:約3分

焚き火は、火をつける前に決まっている。空気の通り道を作る、2つの組み方

焚き火がうまく点かないとき、足りないのはたいてい空気だ。焚きつけ・小枝・薪の順に、ティピー型か井桁型に組む。日本の山火事の原因でいちばん多いのが、たき火だということも知っておきたい。

※生成画像

夜のキャンプ場で焚き火の前に座る。薪がぱちっと鳴って火の粉が上がる。

いい時間だ。でも最初の火がなかなか点かず、煙ばかり上がる。そんな経験がある人も多いと思う。

焚き火にはコツがある。大事なのは火をつける前の組み方だ。

火は空気を食べている

物が燃えるには3つのものが要る。燃えるものと熱と空気(酸素)だ。

焚き火がうまくいかないとき、足りないのはたいてい空気だ。薪をぎゅうぎゅうに積むと火に空気が届かない。だから火は消えて煙だけが出る。

組み方の工夫は、ほとんどがこの空気の通り道を作るためにある。

燃えやすいものから順番に

まず材料を3つに分けて用意する。

カナダのオンタリオ州北部の観光局は、小枝は曲げたときに簡単に折れるくらい乾いたものを選ぶよう勧めている。しなる枝はまだ水を含んでいる。

アメリカの森林火災予防のキャラクター「スモーキー・ベア」のサイトにも、こんな注意がある。地面の枝は落ち葉に埋もれていないものを拾う。落ち葉は湿り気を抱えているからだ。生えている木や枝は決して切らない。生木は燃えないし森を傷める。

組み方は2つ覚えればいい

ティピー型: 焚きつけを真ん中に置き、小枝をテントのように立てかける。火は上へ上へと伸びるので、すぐに勢いがつく。

井桁型(ログキャビン型): 焚きつけのまわりに小枝を2本ずつ平行に置く。その上に向きを変えてまた2本。井戸の「井」の字のように積んでいき、てっぺんにいちばん細い枝をのせる。崩れにくく長く燃える。

オンタリオの観光局は、2つを合わせるやり方も紹介している。低い井桁の中に小さなティピーを組む。ティピーが燃え落ちても、まわりの井桁に火が移っていく。

ティピー型と井桁型の組み方の図。左のティピー型は、真ん中の焚きつけに小枝をテントのように立てかけ、すき間から空気が入り、火は上へ伸びる。右の井桁型は、上から見ると小枝が2本ずつ向きを変えて「井」の字に積まれ、真ん中に焚きつけがある。
図:Back Counter

下から真ん中に火をつける

火は焚きつけの下から、なるべく真ん中に向けてつける。火は上へ燃え広がるからだ。

長いマッチやバーベキュー用のライターがあると楽だ。何か所かに火をつけると燃え移りやすい。

火がついたら根元にそっと息を吹きかける。勢いがついたら小枝を足し、それから薪を入れる。いきなり太い薪をのせると、せっかくの火がつぶれてしまう。

燃えやすい液体は使わない。スモーキー・ベアのサイトもはっきり禁じている。

日本の山火事の、いちばんの原因

焚き火は楽しい。でも少しだけ数字の話をしておきたい。

消防庁によると、2020年から2024年の平均で日本の山火事は1年に1,167件起きている。原因でいちばん多いのが焚き火だ。380件で全体の3割を超える。

キャンプ場には、地面で直接火をたく「直火」を禁じているところも多い。そういう場所では焚き火台を使う。風の強い日や乾いた日は、焚き火そのものをやめておく。

消すまでが焚き火

スモーキー・ベアのサイトには、こんな言葉がある。手で触って熱いうちは、その場を離れてはいけない。

消し方は「水をかける。かき混ぜる。また水をかける。触って確かめる」。ジュッという音がしなくなるまで水をかけ、シャベルで灰と燃えさしをかき混ぜる。赤いものだけでなく、くすぶっている木も残さない。土や砂をかけるだけで済ませてはいけない、とも書いてある。

火を育てる時間

焚き火はマッチ1本で始まる。細いものから太いものへ、少しずつ育てていく遊びだ。

空気の通り道を考えて枝を1本ずつ組む。うまく火が回ったときの小さな達成感は、たぶん何度やっても変わらない。最後の燃えさしに水をかけて、ようやく夜が終わる。

出典

情報確認:2026年10月

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